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Mac文字起こしアプリ比較|Seam vs VoiceInk

SeamとVoiceInkのCPU使用率比較。Seamは約12%、VoiceInkは25.6%

MacBookは、一語もクラウドに送ることなくローカルで音声を文字起こしできます。ただし、Mac向けの音声入力アプリがどれも同じというわけではありません。

SeamとVoiceInkはどちらもmacOS専用アプリです。実際の音声入力中にアクティビティモニタを動かしながら、両者を並べて比較しました。CPU使用率、プライバシーへの姿勢、価格に対する価値の違いは、購入前に知っておく価値があります。Macへの負荷が軽いVoiceInkの代替を探しているなら、この比較が判断材料になります。

要点: VoiceInkはAIによる整形機能を備えた、実力のあるオープンソースの音声入力アプリです。一方Seamは音声入力中のCPU使用率が2.2分の1で、画面収録のアクセス許可を求めず、文字起こしに加えてノッチ全体を作業ハブに変えます。効率的でプライベートな音声入力を、より広い機能の一部として使いたいならSeamの方がお得です。

オンデバイス文字起こしのために録音中のSeam。マイクインジケーターが点灯している

かんたん比較

項目SeamVoiceInk
価格$29(買い切り)$25から(買い切り)
音声入力中のCPU約12%25.6%
音声モデルオンデバイスのローカルモデルWhisper(OpenAI)
処理100%ローカルローカル(AI機能は任意でクラウド)
画面収録のアクセス許可不要必要
マイクのアクセス許可必要必要
アプリサイズごく小さい25 MB
最小macOS14.0(Sonoma)14.4(Sonoma)
オープンソースいいえはい(GitHub)
ユーザー辞書ありあり
修正から学習あり(端末内)なし(手入力のリスト)
音声入力以外ノッチハブ全体(音楽・カレンダー・flow・デバイス)音声入力のみ

VoiceInkはどんなアプリか

VoiceInkは、Whisperベースの文字起こしに絞った、すっきりしたインターフェースのオープンソース音声入力アプリです。

Seamの音声設定。オンデバイスでの文字起こし、押して話す操作、マイクの選択

文字起こしの操作を備えたVoiceInkのメイン画面

音声入力の利用状況を確認するダッシュボードとモデル管理機能も備えています。

利用統計と文字起こし履歴を表示するVoiceInkのダッシュボード

CPUとバッテリー:数字は嘘をつかない

音声入力中にアクティビティモニタを動かして両アプリを計測しました。同じ環境、同じMac、同じ作業内容です。結果はこうなりました。

音声入力中のSeamのCPU使用率は約12%

Seam: 文字起こし実行中のCPU使用率は約12%。

音声入力中のVoiceInkのCPU使用率は25.6%

VoiceInk: 文字起こし実行中のCPU使用率は25.6%。

VoiceInkの方が2.2倍のCPUを使う計算です。バッテリー駆動のMacBookでは、この差が積み上がります。CPU使用率が高いほど発熱が増え、ファンが回り、バッテリーの減りも早くなります。長いメール、会議のメモ、執筆など、一日を通して頻繁に音声入力するなら、余分なCPUサイクルは無視できません。

差が出る理由は音声モデルにあります。Seamは速度重視で設計された、新しく効率的なオンデバイスモデルを使っています。VoiceInkが使うのは、OpenAIが2022年に公開した有名な音声モデルWhisperです。登場当時のWhisperは画期的でしたが、より新しいモデルは同等の精度をはるかに少ない計算量で実現しています。

Seamはモデルを必要なときだけ起動し、音声入力が終わるとリソースを解放します。バックグラウンドに居座るプロセスはなく、使っていないときのCPU消費もありません。

判定: Seamの明確な勝ち。CPU使用率が2.2分の1という差は、ノートPCユーザーにとって実感できる違いです。

プライバシー:音声入力アプリになぜ画面収録が必要なのか

ここからが本題です。

VoiceInkは初期設定の流れで画面収録のアクセス許可を求めます。音声入力アプリがです。これは疑問を持つべき点です。

初期設定中に画面収録のアクセス許可を求めるVoiceInk

理由は、画面の内容を読み取って整形や言い回しを改善する「コンテキスト認識」機能にあります。加えて、ブラウザとやり取りするためにApple Eventsのアクセス許可も求めます。

理屈のうえでは便利になり得ます。メールアプリにいるのか、コードエディタにいるのかが分かれば、出力の整形を変えられるからです。しかし実際には、画面上のすべてを取得できる権限をサードパーティ製アプリに渡すことになります。銀行のタブも、プライベートなメッセージも、医療記録も、入力中のパスワードもです。

VoiceInkがオープンソースであることは、コードを検証できるという点で懸念をいくらか和らげます。それでも権限自体は広範です。macOSの画面収録は表示中のすべてを取得でき、一度許可すればアプリは黙ってアクセスできます。

Seamが音声機能のために求めるアクセス許可はただ一つ、マイクだけです。画面収録もApple Eventsもブラウザ連携もありません。声が入り、テキストが出る。それ以外には触れません。

判定: プライバシーはSeamの勝ち。マイクだけを求める音声入力アプリの方が、画面を見たがるアプリより信頼できます。

音声モデル:CPUの差はどこから来るのか

Apple音声認識とWhisperの文字起こし性能を比較したVoiceInkの速度チャート

音声認識モデルは、あらゆる音声入力アプリの心臓部です。両者を比べます。

VoiceInkはWhisperを使います。OpenAIが2022年に公開したオープンソースモデルです。Whisperは音声認識の節目でした。68万時間の多言語データで学習し、ローカルでの文字起こしに人間に近い精度をもたらしました。99言語に対応し、数十のMac向け音声入力アプリ(SuperWhisper、Wispr Flow、MacWhisperなど)の土台になっています。

代償もあります。Whisperはオンデバイス動作を前提に設計されていません。サーバー向けに作られたものです。MacBookでも動きますが、エッジ機器向けに設計されたモデルより計算量は重くなります。

Seamはより新しいオンデバイスモデルを採用し、高速かつ効率的な文字起こしを狙っています。音声を一度の処理で扱うため、CPU負荷を抑えたまま結果が速く返ります。

このモデルは最初からオンデバイス利用のために設計されたものです。はるかに少ない計算量で競争力のある精度を出します。だからこそ同じ作業でSeamは約12%、VoiceInkは25.6%という差になります。

判定: Seamはより新しく効率的なモデルを使い、Whisperはサードパーティのサポートが広い。どちらも多言語に対応し、Seamは自動判定つきで25言語をカバーします。

機能:音声入力アプリか、作業ハブか

ここが2つの製品の本質的な違いです。

VoiceInkは音声入力に特化したアプリケーションです。やることは一つ、音声をテキストにすることだけ。その範囲では、よく考えられた機能を備えています。

  • 複数のWhisperモデルサイズ(tinyからlargeまで)
  • AIによるテキスト補正(クラウドのAPIキーが必要)
  • コンテキスト認識の文字起こし(画面収録のアクセス許可が必要な理由)
  • 独自の単語登録と整形ルール
  • クリップボードモードと直接入力モード
  • グローバルキーボードショートカットでの起動

必要なのが音声入力だけで、文字起こしの過程を細かく制御したいなら、VoiceInkには調整できるつまみが揃っています。

Seamは文字起こしを、より広い仕組みの中の一機能として持っています。音声モジュールの隣には次のものが並びます。

  • 再生中の曲: アルバムアートワーク、再生コントロール、オーディオビジュアライザ
  • デバイス接続: AirPodsのバッテリー残量(左・右・ケース)
  • 集中モードの検出: アクセス許可は不要
  • Flowタイマー: ポモドーロセッション
  • カレンダーの予定: 次の会議のプレビュー
  • 音量・輝度のHUD: 標準OSDの置き換え
  • バッテリー監視: 残量低下の通知

これらすべてがMacBookのノッチから動きます。1つのアプリで複数のユーティリティを置き換えられます。

判定: 音声入力の作り込みではVoiceInk。価値の広さではSeam。音声入力に加えて作業ツール一式が付いてきます。

ユーザー辞書:自分で書くリストか、勝手に育つリストか

音声モデルが学習しているのは、みんなが口にする言葉です。一方で仕事で使う言葉は、ほとんど誰も口にしないものばかりです。自分の名前、会社名、毎朝開くツールの名前。「Supabase」で学習していないモデルは、今日も明日も、一年後も「super base」と書き起こします。

VoiceInkにはWord Replacementsがあります。元のテキストと置換後のテキストを入れ、大文字小文字は区別せず、カンマで表記ゆれをまとめられます。書き起こしのあと、AI整形の前に実行され、その働きは自分が忘れずに手入れしたリストの範囲そのものです。聞き間違えるたびにDictionaryの画面へ戻ることになります。

Seamも同じリストを用意したうえで、その先を自分で埋めていきます。「ramsey」と書き起こされたところに「Ramzi」と打ち直せば、その組み合わせが学習されます。翌週また同じ言葉を話すと、正しい綴りで入ります。直すのは最初の一回だけです。

Seamの音声設定。カスタム辞書と、修正から学習した単語の組み合わせが並んでいる

オンのままにしておいて安心な理由は3つあります。

  • 読むのは1つの入力欄だけ、しかもMacの中で。 Seamは書き起こしを入れた入力欄と、自分が挿入した文字列を比べ、単語の組み合わせだけを残して他はすべて捨てます。入力欄の中身は保存も記録もされず、どこにも送信されません。画面の読み取りも履歴もなく、対象は入力欄1つだけです。
  • 1対1の置き換えだけを学習。 ある単語を別の単語に置き換えた場合だけ学習します。書き直し、追加、削除は対象外です。誤った項目を覚えるほうが、覚え損ねるより高くつくからです。
  • 3秒間の拒否権。 新しい組み合わせはノッチに×印つきで表示されます。押せばその単語は破棄され、ブロックリストに入るので二度と学習されません。

手入力の項目も想像どおりに使えます。1行で、その単語のあらゆる聞き間違えパターンをまとめられます。「shad c and ui, shed yen ui」はどちらも「Shadcn UI」になります。

判定:Seamの勝ち。VoiceInkの置換機能はよくできています。ただ、こちらから書くのを待っているだけです。

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価格:$29と$25

どちらも買い切りです。サブスクリプションはありません。

VoiceInk: Mac1台で$25、2台で$39、3台で$49。音声入力だけのアプリとして$25は決して軽い出費ではありません。macOS標準の音声入力のような無料の選択肢がある中ではなおさらです。

Seam: 買い切り$29。文字起こし、音楽コントロール、デバイス接続、集中モードの検出、flowタイマー、カレンダーなどが手に入ります。

判定: 価値ではSeamの勝ち。しかも僅差ではありません。

オープンソース:評価すべき点は評価する

VoiceInkは最近GitHubでオープンソース化されました。これは称賛に値しますし、きちんと触れておくべきです。

Seamのインサイト画面。音声入力で入力した文字数と、短縮できた時間

オープンソースであることの意味は次のとおりです。

  • マイク音声や画面データをアプリが何に使っているかを自分で検証できる
  • コミュニティが修正や機能追加に参加できる
  • 音声アプリを作る開発者にとって学習資料になる
  • 透明性が信頼につながる(画面収録を求めるアプリでは特に重要)

Seamはオープンソースではありません。ソースコードは非公開です。

判定: VoiceInkの勝ち。オープンソースは実質的な強みで、音声入力のようにプライバシーに敏感な分野では特にそうです。権限が悪用されていないことを確認できるため、画面収録への懸念も部分的に埋め合わされます。

VoiceInkが向いている人

  • 文字起こしを細かく制御できる専用アプリが欲しい
  • オープンソースを重視し、コードを検証したい
  • AIによるテキスト補正(整形・文法修正)が必要
  • コンテキスト認識のために画面収録のアクセス許可を与えても構わない
  • モデル選択の自由度を最大化したい(複数のWhisperサイズ)
  • 単機能のツールに$25以上を払っても気にならない

Seamが向いている人

  • CPUに負担をかけない効率的な音声入力が欲しい
  • プライバシーを重視し、画面収録のアクセス許可は与えたくない
  • 音声入力だけでなく、音楽・カレンダー・デバイス・flowタイマーも欲しい
  • WhisperよりCPU効率の良い新しい音声モデルを使いたい
  • どのモデルも知らない名前をよく話すが、辞書を手で打ち込むのは避けたい
  • ノートPCのバッテリー持ちを重視する
  • 買い切り$29で大きな価値が欲しい
  • ノッチ付きMacBook(2021年以降)を使っている

結論

VoiceInkはしっかりした音声入力アプリです。オープンソースで、活発に開発されており、上級者に細かい制御を与えてくれます。必要なのが音声入力だけで、可能な限り多くの選択肢が欲しいなら、VoiceInkは期待に応えます。

ただし数字がはっきり語っています。CPU使用率2.2倍は誤差ではありません。音声モデルの違いが生む実際の性能差です。画面収録のアクセス許可は、オープンソースの透明性があってもなお、音声入力アプリとしては当然の懸念です。そして単機能に$25を払うか、作業ハブ全体に$29を払うかという差は、正当化するのが難しいものです。

Seamは効率的でプライベートな音声入力を、より大きなものの一部として提供します。ノッチが音楽コントロール、デバイス接続、集中モードの検出、flowタイマー、そして文字起こしを備えた作業面に変わります。すべてバッテリーに優しい設計です。

2026年にMacの音声入力アプリを比べるなら、問うべきは「どれが正確に文字起こしするか」だけではありません。「どれがバッテリーとプライバシーと財布を尊重するか」です。この3点すべてでSeamが先行しています。

よくある質問

VoiceInkは無料ですか

いいえ。VoiceInkはMac1台のライセンスが$25からの買い切り制です。ソースコードはGitHubで公開されていますが、ビルド済みアプリの利用には購入が必要です。テキスト補正などの一部のAI機能には、従量課金のOpenAI APIキーが別途必要です。

VoiceInkはオフラインで動きますか

はい。VoiceInkの基本的な文字起こしは、ローカルのWhisperモデルを使ってオフラインで動作します。ただしテキスト補正などのAI機能にはインターネット接続とOpenAI APIキーが必要です。

VoiceInkはなぜ画面収録のアクセス許可を必要とするのですか

VoiceInkは「コンテキスト認識」の文字起こし機能で画面収録を使い、画面上の内容を読み取って整形や言い回しを改善します。この機能は任意ですが、初期設定時に許可を求められます。

Seamは音声入力アプリなのですか

いいえ。SeamはMacBook向けのノッチ作業ハブです。文字起こしは多くの機能の一つで、他にも再生中の曲の音楽コントロール、AirPodsのバッテリー監視、集中モードの検出、flowタイマー、カレンダーの予定、音量・輝度のHUDがあります。すべてMacBookのノッチから動きます。

精度が高いのはどちらですか

どちらのモデルも音声入力には十分な精度を持っています。Whisperは99言語に対応し、Seamのモデルは自動判定つきで25言語に対応します。Seamのモデルは同等の精度をはるかに低いCPU使用率で実現しており、Macでのオンデバイス利用に向いています。

ノッチのないMacでもSeamの音声機能は使えますか

Seamは、macOS 14(Sonoma)以降が動作するすべてのMacで使えます。ノッチ付きMacBookではノッチ領域に直接組み込まれ、それ以外のMacではフローティングのアイランドモードで動作します。


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オープンソースが良いですか: GitHubのVoiceInk。Whisperモデルを使ったオープンソースの音声入力アプリです。

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