Mac文字起こしアプリ比較:Seam vs Superwhisper
Macの音声入力アプリが2つ。片方はCPUの半分を食いつぶし、もう片方はアクティビティモニタでほとんど存在感がありません。
Superwhisperは複数のWhisperモデルサイズと会議録音を備えたmacOS向けの音声入力ツールとして、確かな支持を集めてきました。ただし価格は月額$8.49または買い切り$249.99、音声入力中のCPU使用率は50.9%です。もっと軽くて安く、やるべきことをきちんとこなすMac向けの選択肢はないのか。そう考えるだけの理由はあります。どちらのアプリもmacOS専用です。MacBookのバッテリーも財布も削らないSuperwhisperの代替を探しているなら、この比較で全体像がつかめます。
要点:Superwhisperは会議録音や複数のモデルサイズを備えた多機能な音声入力アプリですが、動作は重く価格も高めです。SeamはCPU使用率を4.3分の1に抑えつつ、高速で正確な音声入力を買い切り$29で提供します。余計な機能なしで質の高い音声認識だけが欲しいなら、Seamのほうが割に合います。

主な違い
| 項目 | Seam | Superwhisper |
|---|---|---|
| 価格 | $29(買い切り) | 月額$8.49または買い切り$249.99 |
| 音声入力中のCPU | 約12% | 50.9% |
| アプリサイズ | 小さい(モデルは必要時にダウンロード) | 124MB(モデル同梱) |
| 音声モデル | オンデバイスのローカルモデル | Whisper(OpenAI) |
| 処理 | 100%ローカル | 100%ローカル |
| 会議録音 | なし | あり |
| 音声入力以外の機能 | あり(ノッチのハブ) | なし(音声入力のみ) |
| 必要なmacOS | 14(Sonoma) | 13.3(Ventura) |
CPUの話:約12%と50.9%
テストで真っ先に目を引いた点から始めます。

同じマシン、同じ条件で、音声入力中の両アプリをアクティビティモニタで計測しました。結果は勝負になりませんでした。


Seam:CPU約12%。静かで効率的、ファンは回りません。
Superwhisper:CPU 50.9%。Seamの4.3倍です。バッテリー駆動のMacBookなら体感でわかります。長時間の音声入力ではファンが回り出し、バッテリーの減りも目に見えて速くなります。
なぜ差が出るのか。SuperwhisperはOpenAIのWhisperを使っています。実績があり精度も高い一方で、計算負荷は重いモデルです。Seamは精度を犠牲にせず速度を出すために設計された、より新しく効率的なオンデバイスモデルを使っています。少ないリソースで、より速く音声を処理します。
判定:Seamの明確な勝ちです。CPU負荷が4.3分の1ということは、バッテリーが長持ちし、ラップトップも静かなままということです。
Superwhisperの画面
Superwhisperは、細かなカスタマイズに対応した完成度の高いメニューバーUIを備えています。モデル・ショートカット・録音動作を設定する設定パネルがこちらです。

メニューバーからはすべての操作にすぐアクセスできます。

機能ごとの比較
音声入力の品質
Superwhisperはtiny・small・medium・largeという複数のWhisperモデルサイズを用意しています。大きいモデルほど精度は上がりますが、CPU負荷は跳ね上がります。largeモデルの文字起こしは非常に優秀ですが、CPUを80%超で張り付かせることもあります。つまり常に性能と品質のトレードオフを迫られます。Whisper系モデルの強みである多言語対応も、Superwhisperはよく引き出しています。
Seamは初回利用時にダウンロードされる最適化済みモデルを1つだけ使います。音声入力を終えるとリソースを解放し、バックグラウンドでCPUを使いません。文字起こしの品質はWhisperのmedium〜largeに匹敵しますが、CPUコストはその一部で済みます。Seamは25言語に対応し、言語は自動判定されます。
判定:モデルサイズの選択肢と言語カバー範囲ではSuperwhisperが上です。性能ではSeamが勝ちます。CPUを犠牲にせず、多言語の音声入力が使えます。
ユーザー辞書
音声モデルが学習しているのは、みんなが口にする言葉です。一方で仕事で使う言葉は、ほとんど誰も口にしないものばかりです。自分の名前、会社名、毎朝開くツールの名前。「Supabase」を一度も見たことがないモデルは、今日も明日も、一年後も「super base」と書き起こします。
Superwhisperはこれに2つのリストで応えます。Vocabularyはモデルに認識のヒントを渡し、Replacementsは書き起こしのあとに大文字小文字を問わずテキストを置き換えます。どちらもよくできていて、どちらも自分で埋めるものです。聞き間違えるたびに設定画面へ戻ることになります。
Seamも同じ種類のリストから始まりますが、その先を自分で書き足していきます。「ramsey」と書き起こされたところに「Ramzi」と打ち直せば、その組み合わせが学習されます。翌週また同じ言葉を話すと、正しい綴りで入ります。

オンのままにしておいて安心な理由は3つあります。
- 読むのは1つの入力欄だけ、しかもMacの中で。 Seamは書き起こしを入れた入力欄と、自分が挿入した文字列を比べ、単語の組み合わせだけを残して他はすべて捨てます。入力欄の中身は保存も記録もされず、どこにも送信されません。
- 1対1の置き換えだけを学習。 ある単語を別の単語に置き換えた場合だけ学習します。書き直し、追加、削除は対象外です。誤った項目を覚えるほうが、覚え損ねるより高くつくからです。
- 3秒間の拒否権。 新しい組み合わせはノッチに×印つきで表示されます。押せばその単語は破棄され、ブロックリストに入るので二度と学習されません。
手入力の項目もこれまでどおり使えます。1行で、その単語のあらゆる聞き間違えパターンをまとめられます。「shad c and ui, shed yen ui」はどちらも「Shadcn UI」になります。
判定:Seamの勝ち。Superwhisperのリストはよくできています。ただ、書くのは自分です。
プライバシーとローカル処理
Superwhisperはすべてをローカルで処理します。音声がMacの外に出ることはありません。これは本物の強みであり、Superwhisperの中核となる訴求点です。
Seamも100%ローカルです。クラウドもサーバーもデータ収集もありません。音声はデバイス上で処理され、どこにも送信されません。
判定:引き分け。どちらもプライバシーを完全に尊重しています。
アプリサイズとリソース消費
Superwhisperの配布サイズは124MBです。Whisperモデルをアプリ本体に同梱しているため、初回ダウンロードは大きくなりますが、すぐに音声入力を始められます。その代わりディスクとメモリーの占有は重くなります。音声入力中はモデルを読み込んだまま保持するためです。
Seamは音声機能を初めて使うときに音声モデルをダウンロードする方式で、アプリ本体を小さく保っています。ダウンロード後は音声入力中だけ動作し、停止するとリソースを解放します。そのため音声入力の合間は、占有が最小限まで戻ります。
判定:リソース管理ではSeamの勝ち。初回ダウンロードなしですぐ使える点ではSuperwhisperの勝ちです。
会議録音
Superwhisperは会議録音に対応しています。通話の音声を取り込み、文字起こしまで行えます。議事録が必要な仕事をしている人にとっては大きな機能です。マイクと同時にシステム音声も録音できるため、Zoom・Google Meetなどの会議ツールで役立ちます。
Seamに会議録音はありません。Seamの音声機能は素早い音声入力のために設計されています。思いついたことを話し、テキストにして、次に進む。それが役割です。
判定:Superwhisperの勝ち。会議録音が必須ならSuperwhisperが応えてくれます。
モデルのカスタマイズ
Superwhisperはtinyからlargeまで複数のWhisperモデルサイズを選べるうえ、ファインチューニング済みのカスタムモデルにも対応します。手持ちのハードウェアに合わせて速度と精度のバランスを決められます。この柔軟さは見事で、上級者に本物の制御権を渡しています。
Seamは最適化済みのモデルを1つだけ使います。設定は不要で、そのまま動きます。ユーザーに判断を求めることなく、精度と低負荷のちょうど良い点を突いています。
判定:細かく制御したい上級者にはSuperwhisper。モデルサイズを考えずに音声入力を使いたい人にはSeamです。
音声入力の枠を超えて
Superwhisperは音声入力と文字起こしに特化したツールです。ひとつのことに絞り、その周りにAIによる整形・会議録音・モデル選択といった深い機能を積み上げてきました。
SeamはMacBookのノッチを作業の中心にするアプリです。音声入力はそのひとつで、ほかにも再生中の曲、AirPodsのバッテリー(左・右・ケース)、集中モードの検知、音量・輝度のHUD、カレンダーの予定、Flowタイマーなどが揃っています。音声入力だけでなく、ノッチ全体の体験が手に入ります。
判定:そもそもカテゴリが違います。音声入力の深さではSuperwhisper。Seamは音声入力に加えて、ノッチの中に作業環境をまるごと用意してくれます。
テキストの挿入
Superwhisperはアクセシビリティのアクセス許可を使って、任意のアプリに直接テキストを貼り付けます。カーソル位置を取得し、文字起こし結果を差し込む仕組みです。動作は良好ですが、強い権限であるアクセシビリティの許可が必要です。
Seamも音声入力後にカーソル位置へテキストを挿入します。使い心地は同等になめらかです。
判定:引き分け。どちらもテキスト挿入をうまく処理します。
全機能の比較
| 機能 | Seam | Superwhisper |
|---|---|---|
| 音声入力 | あり | あり |
| 100%ローカル処理 | あり | あり |
| CPU使用率(音声入力中) | 約12% | 50.9% |
| 複数のモデルサイズ | なし(最適化済みモデル1つ) | あり(tiny〜large) |
| 会議録音 | なし | あり |
| AIによるテキスト整形 | なし | あり |
| ユーザー辞書 | あり | あり |
| 修正から学習 | あり(端末内) | なし(手入力のリスト) |
| 多言語対応 | あり(25言語) | あり(多数) |
| モデルの必要時読み込み | あり | なし(常時読み込み) |
| 再生中の曲 | あり | なし |
| AirPodsバッテリー(左・右・ケース) | あり | なし |
| 集中モードの検知 | あり | なし |
| 音量・輝度のHUD | あり | なし |
| カレンダーの予定 | あり | なし |
| Flowタイマー | あり | なし |
| サブスクリプション必須 | なし | あり(または買い切り$250) |
価格と費用対効果
ここからが面白いところです。
Superwhisperには3つのプランがあります。
- 無料:使用量に制限あり(購入前のお試し用)
- 月額$8.49:全機能、月ごとの課金
- 買い切り$249.99:一度の支払いで永続利用
月額$8.49なら、音声入力に年間$101.88を払う計算です。買い切り$249.99も高額で、多くの人がアプリ全体に使う金額を超えます。Redditのスレッドでは価格が主な不満としてたびたび挙がっており、「Good bye Whisper」スレッドでは、コストが乗り換えの一因だったと書き込むユーザーもいます。
Seamは買い切り$29です。サブスクリプションも継続課金もありません。一度払えば、音声入力もほかのすべての機能も、ずっと使えます。
期間ごとの価格比較:
- 1か月後:Superwhisper $8.49、Seam $29
- 1年後:Superwhisper $101.88、Seam $29
- 3年後:Superwhisper $305.64、Seam $29
- 買い切り同士:Superwhisper $249.99、Seam $29
判定:費用対効果ではSeamが大差で勝ちます。Superwhisperの買い切りプランでさえ、Seamの25倍です。
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インストールとアクセス許可
SuperwhisperはApp Store外で配布され、自動アップデート機能を内蔵しています。マイク(当然必要)、テキスト貼り付けのためのアクセシビリティ、そしてApple Eventsのアクセス許可が必要です。

Seamは署名と公証を受けています。ダウンロードして開き、音声機能を初めて使うときにマイクを許可するだけ。シンプルです。
判定:手軽さではSeamの勝ち。必要な権限が少なく、導入もすっきりしています。
Superwhisperが向いている人
次に当てはまるならSuperwhisperです。
- 会議録音が必要:通話を録音して自動で文字起こししたい
- モデルを選びたい:tinyからlargeまでWhisperモデルを使い分けたい
- 複数言語で音声入力する:Whisperの多言語対応は強力
- AIによる整形が欲しい:文字起こし結果を自動で整形したい
- CPU使用率を気にしない:デスクトップMacなら50%のCPU使用率は気づかない
- 予算がある:買い切り$250または月額$8.49を許容できる
Seamが向いている人
次に当てはまるならSeamです。
- MacBookをバッテリーで使う:CPU負荷が4.3分の1で、バッテリーが実際に持つ
- 手頃な音声入力が欲しい:買い切り$29と買い切り$250の差
- 軽いアプリが好み:モデルは必要時に読み込み、常駐の負荷も最小限
- 音声入力以外も欲しい:音楽・AirPods・集中モード・HUD・カレンダー・Flowを備えたノッチのハブ
- サブスクリプションが嫌い:一度払えば終わり
- シンプルさを重視:モデルは1つ、設定は不要、話すだけ
- どのモデルも知らない名前を話す:修正がそのまま辞書の項目になる
結論
Superwhisperは評価に値します。Mac上でローカルのWhisper音声入力を切り開いた存在であり、会議録音や複数のモデルサイズといった機能は上級者の役に立っています。多言語対応も本物で、AIによる整形も気の利いた機能です。
それでも数字は正直です。音声入力のためにCPU 50.9%と$250を要求するのは、なかなかの負担です。
CPUの半分を燃やしたり財布を空にしたりしなくても、Macで質の高い音声認識は使える。Seamはそれを証明しています。25言語の正確な音声入力をCPU約12%で実現し、そのうえノッチの作業環境がまるごと付いてきます。$29、一度きりで。
毎日会議を録音し、5か国語で音声入力するならSuperwhisperが応えてくれます。それ以外の人、つまり話してテキストにしたいだけのライター・開発者・学生・ビジネスパーソンには、Seamのほうが賢い選択です。Macにも財布にも軽く、音声入力以上のものが手に入ります。
よくある質問
Superwhisperは価格に見合いますか
Superwhisperは会議録音や複数のWhisperモデルサイズといった独自機能を備えた実力あるアプリで、月額$8.49または買い切り$249.99という価格はプロ向けツールとしての位置づけです。見合うかどうかは用途次第です。会議の文字起こしと多言語対応が必要なら、コストに見合う可能性があります。音声入力だけが目的なら、Seamのような選択肢が25言語で同等の品質を、はるかに低い価格とCPU使用率で提供します。
Superwhisperはクラウドを使いますか
使いません。SuperwhisperはOpenAIのWhisperモデルを使い、すべての音声をMac上でローカル処理します。音声データがサーバーに送られることはありません。Seamもオンデバイスモデルで完全にローカル処理します。
なぜSuperwhisperはCPUを大量に使うのですか
SuperwhisperはOpenAIのWhisperモデルを動かしています。多言語かつさまざまな音声環境での精度を狙って設計されたモデルで、medium・largeといった大きいサイズは特にCPU負荷が高くなります。Whisperの公開は2022年で、優れたモデルではあるものの、より少ない計算量で同等の精度を出す新しいアーキテクチャより前の世代です。50.9%というCPU使用率は、Whisperアーキテクチャの計算要求をそのまま反映しています。
SeamはSuperwhisperの代わりになりますか
ほとんどの人にとっては、なります。Seamの音声機能は25言語で正確な文字起こしを、4.3分の1のCPU使用率で提供します。会議録音は使えませんが、高速で正確な音声入力に加えて、ノッチの作業環境がまるごと手に入ります。買い切り$29で。
Seamを試すなら:MacにSeamをダウンロード。買い切り、サブスクリプションなし、Superwhisperの4.3分の1の軽さ。
会議録音が必要なら:Superwhisperを入手。会議の文字起こしまでこなす強力な音声入力ツールです。
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